私の「食アド®25周年」

大切なのは表面だけでなく、奥行きを見る意識

食アド®公認講師

望月 昇一

食アド公認講師 望月 昇一

食アド®設立25周年おめでとうございます。そして今般全世界で巻き起こった、新型コロナウイルスによるパンデミックもようやく落ち着きを迎える段階に入り、その中を生き抜いてきたことはひとえに協会、会員の皆様、講師陣の皆様のご尽力あってのことと存じます。

さて、5年ほど前に私は孤食の寂しさ、食卓の楽しみ方について問題提起をさせていただきました。どのように食事を摂るのかによって食生活の質、ひいては健康につながるという考えに至ったのでした。

今、私が思うことは、食の根本的命題とでもいいましょうか。人間にとっての食とは、生きている命を奪うことで、私達の生きる糧としていただいているということ。また、その食材たちはどこからきて、どのように生産、流通し、食卓に上り、そして廃棄されていくのか。そのサイクルにも視野を広げる必要性を感じます。当たり前に食材があるのではなく、恵をいただいているということ、そしてそれらを決して無駄にしてはいけないでしょう。

私達は往々にして、食材というとそのコストや健康への影響に意識が向かいがちですが、その背後には日本における深刻な食糧自給率の低下、生産者の想いや苦労と利益、環境負荷、そういった事象が隠れています。これは全ての物事にも言えるかもしれませんが、大切なことは表面だけでなく、奥行きを見る意識ではないでしょうか。

最後に、食アド®の活動に取り組む上で、皆様の様々な視点、視野が多様であるように、私も皆様同様、食アド®を通じて、色々な事を学び一緒に考えていきたいと常々思っており、その一端を担うべく努力する所存です。30周年に向けてより深みのある食アド®を共に育んでいきましょう!

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