FLAネットワーク®協会 会長
竹内 弘光
2019年に発行した20周年記念誌『食アド®二十歳』に書かせていただいたのは、さまざまな機会を通して食アド®を広く世間に知らしめ、その先には「食生活学」の確立という重要な目標があるということでした。その年も含めて5年、いろいろ進めてきましたのは、すべてその目標に向けてのことです。
2019年度は、公認講師全員、全教科6科目担当制になりました。これが食生活アドバイザー®なんだということを私たち自ら体現し、食生活学というものを教授していかなくてはいけないということで実現させました。ただし、それぞれの専門分野については従来どおり高めていただき、スペシャリストとしてさらに引き出しを増やしてくださることを期待しています。
2020年度は、公認講師が企画・運営する勉強会、「食アド®ゼミナール」をスタートさせた年です。ただ、2020年2月ぐらいから新型コロナの雲行きが怪しくなり、4月以降、日本も何度か非常事態宣言が出され、延期・中止を余儀なくされた回もあります。しかしながら、こういう時だからこそ、直に顔を合わせて学ぶ機会の大切さを再認識し、感染予防対策をしながら少しづつスタートさせました。
2021年度に始まったのが、食アド®の出前講座。団体受験をされる企業・団体に、こちらから公認講師が出向いて合格講座を実施するという教育支援です。先方の意向や地域によってはリモート授業の場合もあります。出前講座を受けた団体受験では明らかに合格率が上がります。ある企業では、食アド®を奨励資格のひとつとして入れていただき、取得者は毎月のお給料に手当として反映されるという事例もあります。民間資格では食アド®だけと言ってもいいでしょう。
2022年度は、2級受験者向け「通学制」合格講座を設けました。従来の速習コースにも2級受験者向けはありますが、そう簡単には合格できませんので、2日間腰を据えてじっくり学んでいただくコースです。合格目標だけでなく、ミールソリューションの向上を目指すなど探究心が旺盛な方々が受講されるケースが多いです。また同年、ユーキャンとの提携で「野菜スペシャリスト®」に続く2つ目の姉妹資格、「作りおき料理コーディネーター®」の認定を始めました。
そして5年目の2023年度は、「食アド®ゼミナール」と「食アド®Academy」に一般の方も参加できるようにしました。さらに、かねてから要望の多かった食アド®料理教室「食アド®料理Academy」が加わりました。検定試験だけでなく、「食と生活の教育をしている機関」だということ、「食と生活のことであれば何だってできますよ」ということを世間に広く知らしめるためです。検定が先で後からゼミナールでも、先にゼミナールやAcademyで食と生活の知恵を学びつつ、最終的に資格にチャレンジしていただく。どちらからでも来てくださいと、入り口を2wayとしたのです。
そして2024年度は「食アド®指定校」を本格的にスタートさせます。従来から、授業として検定に向けた勉強をしたうえで、団体受験を受けてくださるというパターンはあるのですが、指定校制度の場合は検定試験を受験するのではなく、授業において食アド®の6科目すべてを履修していただき、単位取得者には食アド®3級の合格証を発行するというシステムで、1年間のトライアルを経て、いよいよ本番がスタートしました。
以上のように着実に進めてきましたが、まだまだ新たなプロジェクトも仕掛けています。対応できるよう公認講師や事務局体制も万全にしていきます。2030年に向けてさらに充実させ、食生活の教育はもちろん、さまざまな食の問題解決ができる「食と生活のオーソリティ」に私たちがなること。そこに「食生活学」という揺るぎない姿が見えてくるはずです。
2019/4/20 20周年謝恩パーティー(ハイアット・リージェンシー東京)
「日本の資格・検定」AWARDS 2019
「注目の資格・検定」第1位受賞!