私の「食アド®25周年」

料理の目的は、やさしい人間になること

食アド®公認講師

髙須 希代

食アド公認講師 髙須 希代

昨年の秋、田舎で暮らす父が東京に遊びに来た。親子水入らずの晩酌を楽しみ、わが家に1泊。翌日は、父のために朝食を作った。そろそろ喜寿を迎える父の健康を考え、チキンとたっぷり野菜のサンドイッチ。ポタージュスープにフルーツも添えて。

しかし父は、申し訳なさそうにサンドイッチを残してしまった。昨晩のお酒が残っているのかな? と聞けば、どうやら最近、歯が弱くなり咀嚼機能が低下しているとのことだった。そういえば吞んでいたとき、硬いものをそっとよけていた記憶がよみがえる。いちばん大事なサインを見落としていた。

いつだったか、何かの本で「料理そのものが目的ではない。やさしい人間になる、それが真の目的」という言葉に感銘を受けた。20代のころ師匠から「料理に “めんどくさい” はありません。」と教えられたことと重なる。料理は「知識」も必要だが、やさしさと、練習量によって研ぎ澄まされるのだと体感してきた。単に「栄養がある、ない」「量が多い、少ない」「高い、安い」だけで食を判断する時代ではないと思い立つ。

食生活アドバイザー®となり25年。深めた「知識」を実践すること、練習を重ねること。

食アドと共にこれからも進化していきたい。食生活アドバイザー25周年おめでとうございます。

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